先週末(2015年1月16日)、吉祥寺の自然食レストランパブリックキッチンにて開催された「TOKYO丹波会」というイベントに参加してきた。
丹波市というのは兵庫県の瀬戸内海と日本海の真ん中くらいにある人口7万人足らずの自治体。大阪駅からも特急で1時間程度と、東京からだと結構離れているが、近年首都圏からここに移住する若者がとても増えているそうだ。私も1年半ほど前に初めて丹波に足を運び、移住者の若者や、それを迎える地元の人のお話を色々お聞きする機会があったご縁でお邪魔した。
今回で3回目となったこの会のスローガンは、
「今を生きる丹波人と、いま現在街中で暮らしている元丹波
(1)の中にも、その日に東京で行われた移住フェアに出張してきた市役所の人のような元からの丹波人と、Iターンで最近になって丹波で暮らすようになった人とがおり、(2)にはふるさと丹波への思いはあれど東京に持ち家を買ってしまった人、もうすぐUターンして農業を始める人、Uターンを検討中の人など。(3)も私のようにたまたま訪ねた事のあり興味をもった人、Iターンをかなり真剣に考えている人、様々だった。
丹波定住促進サイト(これも面白い。オススメは「移住女子」のコーナー)
この会の幹事の方のお話で印象深かったのは、「こういう会合があることで、これから移住を考えようという人が、丹波出身の人、丹波在住の人、Iターン経験者らと、お酒を片手にくつろいだ雰囲気でお話することで、移住のイメージがかなり具体的になるし、実際に行ってからもいきなりゼロからのスタートでなく既に顔見知りがいるところから始められる。」ということ。この効果はお互いにとって本当に大きいだろう。こういう集まりを、もっといろんな自治体でやったら良いのではないだろうか(既にたくさんあるのかもしれないが)。
今はどこも少子高齢化が進む中、大都市から地方への移住促進がある種のブームになっている。しかし、つい最近NHKで見た新潟県の日本海に浮かぶ離島の粟島の話を見たが、やはり東京から移住してくる人の感覚と、その地でずっと暮らしてきた人の感覚というのはそう簡単に相入れるものではない。
NHKクローズアップ現代 小さな島の大きな決断 ~地方創生の現場から
この番組の中で、都会から来た若い女性が、粟島に一泊3千円位の若者向けゲストハウスを作り観光客を増やし定住者にも繋げようとの企画が、地元の民宿組合が一律7千円位でやっているという理由で反対される、という話が描かれていたが、一概にどちらが正しいと言える話ではないし、都会からの「ふるさと創生事業」等に振り回され続けて島の環境も心も疲弊してしまった地元の視線はなかなか都会の人間には想像しがたい。
やはり地域で発言力のある人と、都会から来た新しい血と、その両方がうまく融合しないと地方が変わってゆくのは難しい。下記リンクの丹波市議横田いたるさんのお話にあるように、いかにそこをうまく進めてゆくかが肝心なのだろう。
丹波市議 横田いたるさんインタビュー記事
丹波というところに、そこにしかないものすごく特別な何かがある訳ではないが、こうしていろんな人たちが明るく前向きにやっていること自体がとても魅力だし、やや閉塞気味の日本全体を元気にするヒントがここにはたくさんあるように感じた。
株式会社ご近所ホームページ
(Iターンの若者が中心となって地元の活性化の事業等をやっている会社)
確かに東京からだと結構な距離ではあるけど、ほんとに魅力的な場所なので、まだ行ったことがない人には一度訪ねてみることをオススメします!