浅田真央、北島康介、イチローに思う。

浅田真央選手の2015-16シーズンが終わった。
GPファイナル6位(出場選手中最下位)、世界選手権7位。
結果だけを見れば彼女にとっては決して本意ではなかったと思う。いくつかジャンプをミスしたショートプログラムと違い、フリーはほぼノーミスに近い演技で、ある意味ソチ五輪を彷彿させたが、フリー単独でも7位と、最終グループの6人は全員彼女を上回るフリーを演じた。ソチの頃よりも明らかにレベルは上がっているし、若手の成長もロシアを中心に著しい。そろそろ引退、という発想があっても全くおかしくはなかった。

しかし彼女は早くもその翌日に現役続行の意向をコメントしたようだ。

浅田、現役続行の意向=「そういう思いある」

メダルとか順位とか、そういうものを超えたところに彼女の目指すところはあるのだと思う。そういうことであれば次の平昌五輪まで是非頑張って欲しいし、厳しい国内の代表争いにも勝ち残って欲しいと願っている。

この浅田真央選手を見ていて、自分はもう二人の「日本スポーツ史上空前の名選手」のことを思った。水泳の北島康介、そしてイチローだ。

浅田選手含めたこの三人の共通点。それは、

-日本人選手として、その競技が始まって以来の傑出した成果を、長期間に渡って出し続けていること
-外国にも、そして次世代の若い選手達にも憧れ、目標であり続けていること
-十分過ぎるくらいの実績、名声、達成感を得ていると思われるのに、そのピークの実力が過ぎたと思われる現在においても現役選手であり続けていること

などが挙げられると思う。そしてそれぞれの競技で、羽生結弦、萩野公介、大谷翔平ら、その才能においては彼らを超えるかとも思わせる若手(たまたまだがこの三人はみな1994-95年生まれ世代)が台頭してきてもいる。引退してもっとゆったりした人生を楽しんでも良いのではないかと凡人である自分は思ってしまうのだが、彼ら超一流を極めた人たちの価値判断や行動基準は全く違うところにあるのだろう。

浅田選手のシーズンは終わり、次のシーズン、オリンピックの一年前のシーズンに向けての動きが始まる。

水泳では、リオ五輪の代表選考を兼ねた全日本選手権が今週開幕。北島選手は100、200平泳ぎにエントリー。代表入りを本気で全力で目指している。恩師平井コーチにも再度弟子入りし、一から鍛え直しているそうだ。

そしてMLBもいよいよ開幕。イチローにどれだけの出場機会が与えられるかはわからない。昨年の打率等の数字は彼にとっては考えられないほど低い結果だったことと思うが、年齢的な衰えを本人が一番感じているなか、彼は日米通算25シーズン目の開幕を迎える。

この三人のアスリート達が自分は大好きで、どの選手もまだ本格的に活躍する前の段階から注目して見続けてきていた。彼らには本当に感謝をしている。

浅田選手は素晴らしいフリーを演じてくれた。
北島選手にも、五輪代表入りをして欲しいと心より願っている。
イチロー選手にも、今シーズン3000本安打を達成して欲しい。そして彼が夢見続けてきたワールドシリーズへの出場を果たしてほしい。

 

フィギュアスケート全日本選手権2015の浅田真央選手が楽しみ!

*下記リンクに寄稿した記事ですが、こちらにも掲載します。

http://www.jvta.net/blog/kirari20151225/?utm_source=%E5%8F%97%E4%BF%AE%E3%83%A1%E3%83%AB%E3%83%9E%E3%82%AC1225&utm_medium=email&utm_campaign=%E5%8F%97%E4%BF%AE%E3%83%A1%E3%83%AB%E3%83%9E%E3%82%AC1225

発見!キラリ 輝き続ける華「浅田真央」

発見!キラリ 輝き続ける華「浅田真央」

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12月のテーマ:華
フィギュアスケートの全日本選手権は毎年クリスマスシーズンに開催される。今年(2015年)は12月24日(木)~27日(日)、札幌の真駒内セキスイハイムアイスアリーナが舞台。五輪、世界選手権等への出場権の選考を兼ねたシビアな試合ゆえ、多くの選手達は長年クリスマスを楽しんだことがないという。かつてこの全日本選手権に小学6年生で特例出場したのが浅田真央選手。見事に3連続3回転ジャンプを決めたのは2002年、もう13年も前のことだ。
浅田選手は2014年春、ソチ五輪の終了後にさいたまスーパーアリーナで行われた世界選手権で優勝したのち休養を宣言。昨年ははじめてクリスマスを楽しんだのではないだろうか。復帰するか否かは「ハーフハーフ」だったが、再び競技の道を選んだのはご存知の通り。しかし、わずか1シーズン空けただけで、世界の有力選手も随分入れ替わってきている。先日12月初旬にバルセロナで行われたグランプリシリーズ(GP)ファイナルで優勝したメドベデワ選手(ロシア)は16歳、銀メダルの宮原知子選手は17歳。浅田選手の全日本デビューの2002年には、彼女たちはまだスケート靴を履いたばかりだったはず…。“幼いころから浅田真央に憧れていた”という少女達は今や強烈なライバルに成長し、浅田選手はこの試合で6位と大きく後塵を拝した。
かつて王貞治さんが引退を強く意識し始めたのは、自分がプロ野球に入ったあとに生まれた世代の投手と対戦するようになってからだと聞いたことがある。浅田選手も、今まさにそういう気持ちになっているのかもしれない。今回の全日本で浅田選手は、現在NHK杯、GPファイナルで好成績を挙げ、絶好調の宮原選手と競う。本郷理華選手、永井優香選手ら次世代の若手たちも猛烈に追い上げてきているだけに、表彰台はもとより、世界選手権代表の選に漏れる可能性もある。
そんな厳しい環境の中でも彼女が競技を続けているのは、やはり本当に心の底からスケートが好きだからではないだろうか。例えば2008年、ヨーテボリ(スウェーデン)の世界選手権では、冒頭のトリプルアクセルに失敗。リンクの上にうつ伏せに倒れ込んだ時は誰もがもうダメだと思ったに違いない。しかし、浅田選手は決してあきらめず、それ以後のジャンプを全て成功させ、世界選手権初優勝を飾った。この試合の解説をしていた長野五輪銅メダリストのキャンデローロ氏(フランス)は、「世界中の選手達、特に子供達に、彼女のこの演技を見てほしい」と語った。

さらにソチ五輪では、ショートプログラムの大失敗で16位と出遅れたものの、翌日のフリーでは会心の滑りをみせ、6位入賞という結果を残した。メダルには手が届かなかったが、彼女の不屈のチャレンジはメダル以上の感動を与えてくれた。

浅田真央選手のトリプルアクセルや芸術的な表現は素晴らしい。しかし、最大の魅力は、どんな状況でも決してあきらめない、投げ出さない心、そして何よりスケートが好きでたまらない、という気持ちにあると思う。今年の全日本選手権ではどんな演技を見せてくれるのだろうか。順位やジャンプの成否ではなく、彼女の演技そのものを全力で応援したい。

 

日本フィギュアスケート殿堂の設立を!

野球を観るのが大好きなので、プレミア12も終わり、NPB(日本プロ野球)もMLB(米国メジャーリーグ野球)も、MVP、新人賞、ベストナイン等各賞の発表も全て終わるこの時期は少し寂しいものだ。
FAなどストーブリーグの動きも眺めつつ、次なる楽しみは、毎年1月初旬の日米の野球殿堂入り投票の結果発表である。

MLBの殿堂入りというのは大変な名誉であり、多くの米国の野球ファンはその結果をとても興味深く眺めている。NPBのほうはそこまでのステータスはないかもしれないが、東京ドームにある野球殿堂博物館は日本の野球の歴史を物語る素晴らしい施設だと思う。

実はフィギュアスケートにも殿堂がある。

世界フィギュアスケート殿堂 wiki

米国コロラドスプリングスにあるこの殿堂は、フィギュアスケートの発展に大きく貢献した人を顕彰する組織であり、1976年の最初の選出以降は毎年だいたい数名が選ばれる。やはり選手が大半であり、アマチュア引退後5年経過すれば選出される対象者となる(このへんは野球に倣ったのかもしれない)。日本人はこれまで伊藤みどりさん、佐藤信夫さんの二人が殿堂入りを果たしている。米国にあることから殿堂入りについても北米偏重との批判もあるようだし、その選出基準や選考方法に不明瞭さも批判があるようだが、まずはこういった、一つの競技の歴史を築いてきた選手、指導者、審判 等をたたえ、歴史を振り返る組織、仕組みがあることは素晴らしいことだと思う。

翻って、日本は世界でも屈指のフィギュアスケート強国であり、ここ10年来男女シングルでは毎年優勝候補やメダリストを輩出している。また、日本は今や世界で一番フィギュアスケートの試合やアイスショーに多くの観客が熱狂する国であり、明日から開幕するNHK杯フィギュア(長野)も、チケットはあっという間に完売している。日本のファンたちはもちろん日本選手に大きな声援を送るが、一方で角国どの選手に対しても暖かい応援をすると世界中の関係者で評判になっているらしい。

であれば、日本単独のフィギュアスケート殿堂も存在すべきではないだろうか。
過去の名選手やスケート界に貢献した方々を称え後世に歴史を語り継ぎつつ、今後も素晴らしい選手が輩出され続けるよう、通年リンク等練習環境の支援や、競技人口のすそ野を増やすことへの取り組み、日本の課題たるカップル競技(ペア、アイスダンス)の強化など、今これだけの人気があればこそやれることがあるのではないだろうか。

全くの思いつきだが、殿堂入りした過去から現代の名選手たちの様々な記念品等を展示するとともに、過去の映像アーカイブも蓄積し、主たる競技大会の際はパブリックビューイングを行ったり、講演会的なものをやったり、通年で書籍、DVDやグッズの販売などをやる施設があれば、かなり賑わうのではないかとも思う。
東京にあるのが一番集客できるだろうが、あえて最近通年リンクが出来た盛岡や新潟に設けて、地域活性化につなげるのも一案だろう。

今回のNHK杯に出場予定の浅田真央選手、羽生結弦選手という、歴代でも最高峰レベルの選手たちの下の世代にも次々と新星が登場しているのは素晴らしいことである。ただ、今の現状はそれぞれの選手・コーチたちの身を削るような努力に支えられていて、組織的な選手輩出のメカニズムが機能しているようには感じられない。何より本当にお金のかかるスポーツ。もちろんこれだけ国も地方も財政赤字の極限にある中で公共の予算をつけることには相当慎重でなければならないが、なんといってもお金を出すことを厭わないこれだけたくさんのファンがいるし、トップレベルになれば多くの企業にとって魅力的な広告の対象となれるのだ。民間の資本をうまく取り込む方法は、殿堂に限らずで色々考えられると思う。

そして、今の反映の礎になってきてくれた、例えば男子なら佐野稔、五十嵐文男、本田武史、高橋大輔らの先駆者たちの足跡や物語をこれからの世代にも伝えてゆけるような何かをもっと強く推進すべき時期なのではないだろうか。

NHK杯フィギュア。浅田選手、羽生選手だけでなく、他の日本選手、外国選手全員が、今年最高の演技をしてくれることを期待します!!

NHK杯フィギュア2015 公式HP