文春の「ホテル三日月竜宮城スクープ」以来、もはや東京だけでなく日本中から猛烈な「舛添降ろし」の勢いが止まらない。
昨日5/13金曜の会見も、言い訳にならないような弁明に終始していたのは周知のとおり。ご本人は自ら辞任するつもりは現時点では全くないようだが、本人は居座ろうとしても、脇の甘さが証明された今、ここからさらに政治資金不正流用疑惑や、下手すると黒い交際や不倫等のスキャンダルも出てきてもおかしくないだろう。7月の参院選での必勝を期している自民党としても、引導を渡さざるを得ない可能性も大きいのではないのだろうか。
舛添氏の辞任には90%以上が賛成しているそうだ。
しかし、今SNS等で「舛添ふざけんな!辞任しろ!」てつぶやいてる市井の都民の方々の皆さんの多くは、前回都知事選で彼に票を投じた、あるいは選挙に行かなかったのではないだろうか。声高に非難する前に過去の自身の投票行動や人を見る目を反省すべき人も多いのではないかと思う。
実際もし本当に宇都宮さんが知事になっていたとしたらそれはそれで議会運営等大変だっただろうとは思うし、仮に舛添氏辞任後に再々出馬しても適任とは思えない。
1)2020年の東京オリンピックを単発のイベントとしてでなく、2020年以降の東京、日本にとって意義と成果のあるものにする、という視点でビジョンを描き、それを実現する力を持った人であって欲しい。
2)また、防災、テロ防止等治安維持という観点も大事だろう。幅広い首都圏として捉えれば3000万人の人口が、常に大地震や火山噴火、福島原発対応のリスクにさらされている。ここにどう備えるか、これこそが東京・首都圏の最大の課題だろう。
3)そして、人口減少・超高齢化社会に突き進む日本において、東京が2030年、40年の日本を先取りするビジョンを打ち出し、施策を進めて欲しい。今や世界のほとんどの国は首都の一人勝ち状態だが、それによる弊害も大きい。日本、東京がそういう問題対応の先行事例モデルになれたら、それもまた素晴らしいことだと思う。
4)また、年齢も大きな判断材料の一つ。70歳前後の人がどこまで真剣に20年30年後のグランドデザインを描き実行するかといえばやはり疑問だ。また、ファーストクラスでないと仕事に支障が出るような体力や、毎週末温泉で足を伸ばさないと、みたいな人にも務まらないだろう。せめて60歳前後であって欲しい。
実際に次の都知事は誰がいいか、みたいな記事を検索してみて出てくる名前は、池上彰、橋下徹、東国原英夫、乙武洋匡、小池百合子、下村博文など。池上さんはご自身のこれまでの発言から99%出馬はないだろうから考察外。橋下徹氏は2万%ないと言っても出る可能性はあろう。乙武さんは過去のブログで私は政界進出すべきと主張したし今もその考えに変わりはないが、上記課題に立ち向かう都知事への適性は感じないので考察外。東国原氏は確かに宮崎県知事の実績はあるが、予算規模や対応課題が全く次元の違う都知事にふさわしいとは思えない。下村博文氏については後述するとして、小池百合子氏も個人的印象だが都知事に向いているとは考えにくいし、実際報道に寄れば前回自民党がしぶしぶ舛添擁立になった際に出馬を党から打診されていたが、固辞されたとの報道もあった。
そんなことも考えながら、自分なりの現時点での次の都知事候補ベスト6は以下。
1位 山田宏
東京都八王子市出身、58歳。都議を2期経験し、杉並区長を1999年〜2010年の3期勤め行財政改革に取り組み一定の成果を上げている。橋下徹時代の大阪 市、大阪府の特別顧問も務めており、今の時代における都道府県としての行革にも十分な知見を持っていると感じる。
2014年に次世代の党初代幹事長となったが衆院選では落選、今は次世代の党とは袂を分かち、自民党から参院比例区への出馬が昨年9月に発表されたようだが、選挙区ならいざ知らず比例区への出馬予定ならそれは取りやめて都知事選に出てもご自身も自民党も特段問題ないだろう。
出典:山田宏wiki
(ちなみに前回は田母神氏を支持していたようだ。まあ、それは過去のことということで。。。)
下記のエピソードにも、その判断の是非はともかくとして、知事としての信念と実行力を強く感じた。
2010年12月、高校無償化での朝鮮学校への補助金交付に関して、朝鮮学校での教育内容を確認する必要があるとして、神奈川県が朝鮮学校への補助金支出の内示を留保していた問題で、自ら朝鮮学校を訪問して教育内容を確認し、また、教科書の表現の見直しを求め、学校側に文書での回答を求めた。そして、視察の結果や朝鮮学校側からの回答などを総合的に判断し、朝鮮学校への県補助金の支給を決定した。その際に松沢は「拉致問題や砲撃事件は非道な行為で北朝鮮への怒りは収まらないが、朝鮮学校で学ぶ子どもにまったく罪はない。こういうときこそ、冷静に判断しなければならない」と述べた[5]。
こちらも。
3位 橋下徹
46歳。有名すぎる人だから何も引用しませんけど、10年20年先のグランドデザインを考えるにあたり、この位の劇薬が必要な面も、特にオリンピック関連施策についてはあるように思います。
都議経験者ゆえ都政への造詣も深い。先述のとおり、舛添氏擁立の際に都知事出馬を固辞されたとの話もあるが、今の情勢であればご自身も党も再検討の目もあるのでは。東京五輪担当大臣を務めていたのも強みだ。(中核にい過ぎたため改革できるかという懸念もあるかもしれないが)。
32歳。あ、おとたけじゃないです(笑)。一般のひとにはあまり有名ではないまだ都議1期目の若者だが、この人のITを極限まで駆使した圧倒的な情報発信力には驚くばかり。社会的養護、LGBT政策等、票にならない分野への精力的な取り組みにも頭が下がる。
今回「舛添おろし」の風がここまでになったのも、ロンドン市長との経費比較など彼ならではの着眼点と実行力も大きかったように思う。いきなり10階級特進で都知事は無謀と思うかもしれないが、これからの東京を、日本の未来を切り拓くには、音喜多都知事、小泉進次郎首相みたいなダイナミズムもあってもいい。
だいたい日本の政治家は諸外国と比べ年寄りが多すぎる。日本的土壌では若者には難しいのか、と見る人もいるが、東京に近い課題をもった大都市、政令指定都市においても、現福岡市長の高島宗一郎氏は2010年の就任時35歳、千葉市長の熊谷俊人氏に至っては初当選時31歳だったが、二人とも様々な改革を実現し、2期目も順当に当選している。もちろん都知事が担う経済規模や将来課題は比較にならないほど大きいだろうが、しかるべき副知事やブレーンを整えれば出来ないはずはないだろう。むしろ多人数に埋没しがちな国会議員よりも強力で広範な権限を持った首長のほうが、若い人材が本気で改革に取り組むことによる未来への波及効果がはるかに大きいはず。
舛添氏が辞任、または刑事訴追や自民からの三下り半を突きつけられるかはまだわからないし、その場合に今私が挙げた「6人のサムライ」たちの誰かが立候補となるかどうかも全くの未知数だが、やはり、ただ「舛添ふざけんな、辞職しろー!」てつぶやくだけの「対案のない反対」は芸がないし無責任だと思い、ない知恵を絞って色々考えてみた。異論反論大歓迎。